(更新:2020年5月23日)
「スーツケース1個で生きてるならミニマリストでしょ?」
「ライトネシストって何?」
「ミニマリストとは何が違うの?」
こんにちは。
シンガポール在住、スーツケース1個で生きるライトネシスト です。
そんな状態で生活しているのもあり「ミニマリストですか?」と言われることがたびたびありました。
初めて言われた時はその言葉を知らなかったので、さっそく調べてみるとこのように書いてありました。
ミニマリスト
「最小限」(ミニマル)を主義とする人、という意味の語。一般的には、余計な者を一切持たずに必要最低限度の持ち物だけ身の回りに置いて生活する人を指すことが多い。
(引用:weblio辞書より)
それを読んだ時の率直な感想は「持ち物をできる限り減らすことが目的なら、自分はミニマリストではないかもしれない」と感じました。
先に申し上げますが、ライトネシストとはLightness=身軽を語源にした造語です。
ミニマリストとは目的も違うし、持っているものも少し違います。
本日は『ライトネシスト』が『ミニマリスト』とどう違うのかをご紹介していこうと思います。
・ミニマリストとライトネシストは物を持たない目的が違う
・実際に持っている物の違い
・ライトネシストとして受ける誤解
ミニマリストとライトネシストの目的の違いとは?
ライトネス=場所を選ばず生きる現代のサバイバル力
まずミニマリストとライトネシストで全く違うと感じたのは『目的の違い』です。
ボクの解釈では、ミニマリストは『少ない物で生きることが目的』だったり『物を持ち過ぎないことで得られる価値観や精神性』のような部分を重視しているように感じています。
正直共感できる部分も多いなと感じますが、「なぜ物を減らすのか」という点が違います。
ライトネシストはとてもシンプル。
『場所を選ばずどこでも生きていける人間』を目指しているのです。
“少ない物で生きる”というのはその目的のための手段のひとつでしかありません。
つまり現代におけるサバイバル力に重点を置いた考え方です。
『どこでも生きていける身軽な生き方』に焦点を置いているので、物を減らす以外にも外国語をマスターしたり、会社や国が変わっても必要とされるスキルを身に着けるなんて事も手段のひとつと言えるでしょう。
身軽に生きる事=物は少ないほど良いという誤解
身軽に生きる事を意識しているうち、いつからか日本を出る事を想像するようになっていました。
その結果、チャンスがあればいつでも動けるように、結果的にスーツケース1個分の荷物になっていたという事です。
もしボクが日本国内だけでの身軽さ(ライトネス)を目指していたとしたら、ここまで自分の荷物を減らしたりはしなかったでしょう。
・質の高い睡眠がとれる寝具は手放しません。
・お気に入りの服はもう少し手元に残しておいたでしょう。
良い睡眠が取れることや、出かけたくなる気持ちもボクは大事な身軽さだと思っています(下記で詳しく書きます)。
物の量は重視しているものの、『身軽に生きる事=少なければ少ないほどよい』という感覚は持っていないのです。
ミニマリストとライトネシストの持ち物の違いとは?
では実際にミニマリストとライトネシストの『持っている物の違い』はあるのでしょうか?
「少ない物で生きていこうと思ったら結局同じような物を持っているのでは?」
そう思われる方もいらっしゃると思いますが、実際に持っている物は少し違うはずですので比較をしてみましょう。
持っている物の違い①:スーツケース
まず最も先に思い付く点は、ボクの代名詞でもある『スーツケース』でしょう。
荷物を車で運んだり配送したりする必要なく生きていく為に、スーツケースは絶対に削れません。
旅に興味のないミニマリストの方でしたら「使う時にレンタルすればよい」と考えると思いますが、これはボクにとって手放せない物のひとつです。
持っている物の違い②:衣類
次に違うのは『衣類』です。
物の削減を極めたミニマリストの方でよく見かけるのが、“いつも同じ服を着る”という衣類の選択方法。
こちらも“身軽に生きる事が目的”と考えた際に少し違う価値観を持っています。
「服をたくさん持っていたら身軽じゃなくなるじゃん」
そんな声も聞こえて来そうですね。
ミニマリストの方の様に持ち過ぎない事には共感できますが、「削れるだけ削る」というのはボクにとって身軽さを失う事に繋がるのです。
どういうことかと言うと、「お気に入りの服があるから出かけたい」とか「大好きなカバンで旅に行きたい」なんていう気持ちにさせてくれる部分も大事な身軽さのひとつだと考えているからです。
もちろんたくさん服を持っている訳ではありませんが、重視しているのはトータルの衣類の数ではなく、どれくらいの組み合わせ(コーディネーション)が作れるかということです。
少ない衣類でも組み合わせしやすい服を選べば、コーディネート数は抑えたまま服の数が膨大になるのを防ぐことができます。
具体的にどんな物がおすすめかはこちらの記事を参考にしてください。
「服を断捨離したいけど方法がわからない」「捨てた後に後悔したくない」「何を基準に処分すればよいかわからない」そんな方におすすめの記事です。 こんにちは。スーツケース1個で生きるライト[…]
持っている物の違い③:本と手帳
ボクはkindle愛好家です。
今後の人生においても、電子書籍を手放せる生活を想像することができません。
しかし通常の紙の本も持っていますし手帳もアカログです。
Kindleは約50冊の本を持ち運べて本当に便利なのですが、実際に読みたいのは紙の書籍です。
もしドラえもんがどんな物でも小さくできる道具をくれるなら、ボクはKindleではなく実際の本を選ぶでしょう。
何かを思いついたり学びがあった時には、実際に手を動かしてメモした方が良いというのが、アナログな時代に生まれたボクにとっては外せない行為の1つです。
すべてをデジタル化する事が自分にとって機能的だと考える事はありません。
自分にとって重要な部分ではアナログさも残している、という点もミニマリストとライトネシストの大きな違いのひとつかもしれません。
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ライトネシスト=アドレスホッパーという誤解
ミニマリストとライトネシストについて、ざっくりと考え方や実際に持っている物の違いを紹介させていただきました。
しかしこのようにライトネシストの説明をすると誤解させてしまう事があります。
「生活拠点をコロコロ変えて生きてるんだ」という事。
それは多分ノマドという言葉が一番近いのではないでしょうか。
はっきり言いますが、ボクは全然そんな事ないです。
ボクが指す身軽さ(ライトネス)とは「成長のために居場所を変えたい」とか「生活拠点を変えなくてはいけない状況に陥った」などといった場合にすぐに動けるための”準備”をしておく事がもっとも重要だと考えているのです。
- やりたい事ができたけどまずは準備に時間がかかる。
- 場所を変えた方がよいのに、環境が整わずそれが出来ない。
- 今いる環境に執着してしまい、成長の機会を逃している。
そういった状況や時間がもったいないという事です。
引っ越し自体は好きですが、生活拠点をコロコロ変えながら生きるというのが本来の目的ではありません。
例えば自分がこんな状況になったらどうでしょう?
「海外で自分のやりたい事を見つけた!」
それから外国語の勉強をする人とある程度の準備ができている人、どちらがチャンスを掴むかは明白ですよね。
英語や中国語は1日に1時間や30分だけでも勉強しておいて損はないでしょう。
「大地震にあって住む場所が奪われた!」
物はたくさんあっても構いません。
しかし普段から「最低限これがあれば大丈夫だな」などと想像しておくのも身軽さに繋がるでしょう。
人間は元々変化を恐れる生き物なんだとか。
本来は恐ろしい変化が、必要になった時や余儀なくされた時に楽しめるとしたら最高だし、苦に感じないレベルでも人生は結構変わると思うのです。
【結論】ミニマリストとライトネシストは目的も持ち物も違う
ここまで『ミニマリストとライトネシスト』にお付き合いいただいてありがとうございました。
本当の事をいうと、ボクもミニマリストを意識した事があります。
「少なければ少ないほど身軽になれるだろう」って。
でも…
今になって「捨てない方が良かったな」と思う物もあるんです。
「あの服どうしたっけ? あ、捨てたのか…」とか。
「あの本に何書き込んだっけ? あ、処分したんだった…」とか。
あとは思い出に関わる物はやっぱりよく考えた方がいいです。
手紙なんて、そこまでかさ張る物ではありません。
「スキャンしてデータで保存すればいい」なんて簡単に鵜呑みにしてはいけない。
もちろんそれがダメって言っている訳じゃなく、そういった『思い出に関わる、かつ大きくはない物』に関しての最終手段として考えてください。
もし自分んちに置いておけないなら、実家で預かってもらってもいいと思うんです。
大事な物を捨ててしまった後悔から気付けたのが「物を減らしたいんじゃなくて、どこでも生きていける人間になりたかっただけじゃん」という本来の目的です。
完全に手段が目的に変わってしまっている自分に気付く事ができました。
「断捨離ってなんかカッコいい」
「ミニマリストになりたい」
そんな方がこの記事を見てくれたとしたら、もう一度自分に「なぜ?」の部分を聞いてあげてください。
もし「身軽になりたい」という目的であれば、この記事をヒントにしていただければ嬉しいです。
ミニマリストとライトネシストの違いまとめ
ライトネシストの目的と生き方
- 身軽に生きる事が目的、物を減らすのはそのためのひとつの手段
- 他の会社でも使えるスキルや、外国語も重要な身軽さ
- 自分にとって最適な場所を選べる人間になる
ライトネシストの持ち物
- スーツケースは外せない
- お気に入りの服など、出かけたくなる気持ちも身軽さのひとつ
- 物の量ではなく、自分にとっての価値でアナログとデジタルを扱う
ライトネシストへの誤解
- 生活拠点を転々とするのが目的ではない
- 重要なのは移動そのものより準備
- 理由のない移動を勧めている訳ではない
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