『東南アジアは物価が安い』
日本人のほとんどが持っている感覚だと思います。
ネットや人の話を聞いてみても「3分の1くらいだよ!」とか「半分くらいだよ」という声をよく聞きます。
しかしこれって本当でしょうか?
この記事を最後まで読んで本当にそう思うかどうか。
おヒマな方はお付合いください(笑)
ボクがセブ島(フィリピン)とクアラルンプール(マレーシア)で生活してみて感じたことがひとつあります。
それは「世界中どこでも見かける物はどこで買ってもだいたい一緒だ」と言うこと。
世界中どこでも見かける物といえば、飲食店ならマクドナルドやスターバックス、ナイキやアディダスなどのスポーツブランドやH&M、FOREVER21などのファストファッションがそれにあたります。
世界進出している商品が東南アジアではいくらくらいで買えるのか。
例を挙げていきましょう。
もはや世界のダイソー。日本が一番安いという事実
日本で最も有名な100円ショップと言えばダイソーでしょうか。
実は東南アジアのいろいろな国のショッピングモールで見かけることができます。
2017年10月で26カ国に1,900店舗あるそうです。
もちろんセブ島やここクアラルンプールにも。
日本と同じくほとんどの商品が同じ金額を設定されて売っているのですが果たしていくらなんでしょう。
消費税6%を含めて5.90RM(リンギット)
日本円に直すと約165円です。
え?って思いませんか?
ダイソーで買った商品を見ると中国や東南アジアの国で作っている物が多いのに、日本より高いなんて。
ちなみにセブ島にあるダイソーは88ペソ(約200円)でした。
どうしてこんなことが起こっているのか。
店内を見るとヒントがありました。
売っている商品は日本と全く同じ。日本語で書かれたものがたくさんあります。
なんでも現地の人にとってダイソーの立ち位置は「普通に買うよりは高い。でも日本の質の良い物がこの価格で買えるなら高くない」という感覚だそうです。
ちなみに東南アジアの他の国も調べてみました。
- マレーシア:5.90リンギット=約165円
- フィリピン:88ペソ=約200円
- タイ:60バーツ=約200円
- 台湾:49元=約180円
- ベトナム:40,000ドン=約200円
- シンガポール:2シンガポールドル=約160円
- インドネシア:25,000ルピア=約215円
- カンボジア:1.9ドル=約210円
どこも日本よりも高く、2倍近くの金額設定をしている国もたくさんありますね。
ユニクロはファストファッションなんかじゃない!?
お次はおなじみユニクロさん。
こちらも東南アジアのいろんな国に出店しています。
皆さんはユニクロにどんなイメージがあるでしょう。
日本人の90%以上が「安い」と答えるのではないでしょうか?
さて我らが日本の誇るファストファションブランド、ユニクロはここクアラルンプールではどんな感じでしょう。
店内は日本と変わらないくらい綺麗です。
店内には先月東京のユニクロで見たものと同じ商品がたくさん。
「なるほどなるほど。他に良い物はないかなー」
って素通りするのはちょっと待って。
肝心な値段をチェックせねば。
写真を見てください。59.90RM(リンギット)と書いてあるのがわかります。
日本円に直すと約1,700円。
「あれ?確か日本でも値段はこれ位だったような」
他も見てみましょう。
AIRismのTシャツを発見。
マレーシアへ来る前にこれと同じTシャツが、東京で2点で1,500円(1点あたり750円)で売っているのを見ました。
ところがここでは39.90RM(リンギット)=約1,100円!
なんと日本よりも高いのです。
ちなみにこれと同じ事がセブ島のユニクロでも起きていました。
ユニクロの商品が日本より東南アジアで買う方が高いのです。
物価が日本の3分の1説はいったいどこへ行ってしまったのでしょう・・・。
同じ価格ならまだしも高いなんて。
これも「日本の物がこの価格で買えるなら」という事なのでしょうか。
作っているのは日本じゃないのに。
マクドナルドのセットで物価を比較する時代は終わり
日本の企業だけでなく世界中に出店しているブランドはたくさんあります。
NIKEやadidasなどのスポーツブランド。
CONVERSEやLevi’sなどのファッションブランド。
ColumbiaやTHE NORTH FACEなどのアウトドアブランドなどなど。
今となっては同じ物が世界中のどこでも買えるようになってきました。
そう思っていたボクがセブ島に行く時に一番の誤算だったのが
「靴はかさばるから現地で安く買えば良い」と思っていた事。
どのブランドのスニーカーを見てみても日本円に直すと同じ値段。
なんならA○Cマートや楽○市場で買ったほうが断然安いんです。
飲食店はどうでしょうか?
スターバックスのアイスコーヒー(カフェアメリカーノ)はクアラルンプールで10.10リンギット=約300円。
よく物価の比較に使われるマクドナルドのセットだって、そもそも日本ではハンバーガーやチーズバーガーのセットは提供されていません(2018年現在)し、他のメニューもバリューセットや500円マックと比べると、まったく3分の1や半分の金額にはならないのが現状です。
【まとめ】ブランドは国によって立ち位置を変えている?
これまでに多くはありませんが、アメリカやヨーロッパ、アジアの国々を周って上記のような“どこ国に行っても見かける”お店を利用してきました。
その中で最近特に感じるのは『世界中どこでも見かける商品は、どこで買ってもあまり価格は変わらない』という事。
ボクの大好きなモンスターエナジーなんて、気持ち良いくらいどこで買っても日本円に直すと約200円です(笑)
つまり、同じ商品であっても物価の高い国の人と物価の安い国の人とでは、まったく立ち位置が違うということ。
ボク達にとってダイソーやユニクロはコストを抑えるために利用するお店である事が多いですが、ある国の人にとっては安心や信頼を得るために利用している場合もあるのです。
物価が高い国に行く以上に、物価が安いと言われている国に行く方が必要なコストを計算するのが難しいなと感じます。
きっと「何でも日本より安いだろう」という先入観が邪魔してしまっているんですね。
グローバル化が進み、海外に進出するチェーン店が増えた現状では、「どこどこの国は物価が日本の○分の1」という単純な計算はできないという感覚が強いです。
観光で海外に行く時には移動にかかる費用、滞在にかかる費用、食事にかかる費用。最低これだけは分けて考えた方が予算を組みやすいですね。
あれ?こんな当たり前な事でまとめるつもりはなかったのに。
最後まで読んでくれたおヒマな方、ごめんなさい(笑)