私の失敗だらけのバトゥ洞窟体験記
バトゥ洞窟(Batu Caves)はクアラルンプール近郊でも5本指に入る観光名所で、マレーシアで最も有名なヒンズー教徒の聖地です。
今日はここの行き方と注意事項を!
と、思ったのですがそんな情報はたくさんの方たちが記事にしているのでやめましょう(笑)
そんなことよりもボクはバトゥ洞窟へ行って大きな1つの後悔をしました。
「なぜ行く前にヒンズーのことを少し調べて行かなかったのか!」って。
バトゥ洞窟にはたくさんの神様がいますが、正直カラフルな見た目が面白いだけでワケがわからなかったんです(笑)
しかも帰ってきてヒンズーの事を軽く調べたら結構面白いストーリーがいっぱい。
なぜ行く途中にでも調べなかったのかと後悔しました。
そ・こ・で。
今回はみなさんが行く前に読んでもらえばバトゥ洞窟をもっと楽しめるだろう!ってネタを用意しました。
いろんな意味を持つ神様や面白い言い伝えがたくさんあるヒンズーの世界をちょっとだけ予習しましょう(^^)
まずは知っておくべきヒンズー教の3大神
ヒンズー教を知ろうとしたら、まずは知っておかなくてはいけないお三方がいます。
それがこの方々。
◎真ん中:維持の神様・ヴィシュヌ
◎右側 :破壊の神様・シヴァ
◎左側 :創造の神様・ブラフマー
このお三方がもっとも重要な神様です。
世界維持の神様・ヴィシュヌ(Vishnu)
ヴィシュヌ様は世界の維持を司る神様です。
他の神様の役割から考えると迫力がありませんが、現世に生きているボク達から考えるととっても大切な神様。
なんでも『ボクたちが生きる現世はヴィシュヌが見ている夢』なんだとか。
見た目は手が4本で肌は青かったりたまに肌色だったりさまざま。
ヴィシュヌは3大神の中で唯一姿を変えることができたりもして、ヒンズーの中でもとても人気のある神様です。
世界破壊の神様・シヴァ(Shiva)
シヴァ様は世界の破壊を司る神様です。
破壊の神ってくらいなのでこの方自身ももちろんですが、奥さんも強烈ですし息子たちもなかなか有名人揃いです。(後から説明しますね)
このお方も腕が4本あるのでヴィシュヌと似ていますね。
ただシヴァ神はなにを見てもほぼ全て青い肌をしています。
※ファイナルファンタジーに出ている氷の女王シヴァのモチーフはこの方ではないようです。
世界創造の神様・ブラフマー(Brahma)
ブラフマー様は世界の創造を司る神様です。
ブラフマンって呼ばれたりもしますね。
世界を創造したなんて物凄い神様なんですが、その割にヴィシュヌやシヴァより人気がないようです(笑)
見た目は顔が4つもしくは5つあるのでこちらはわかりやすいかも。
こちらはほぼ全て肌色をしております。
この三大神がヒンズー教の根底となる神様たちです。
この3人の神様が作ったり、維持したり、壊したりしながらうまくバランスを取って私たちの世界が成り立っているんですね。そのバランスが悪くなって来たらシヴァ神が動きだす日が来るかも!?
ちなみに!!!
神様って英語でGODってかくじゃないですか。
この由来が
Generate(創造)、Operate(維持)、Destroy(破壊)の3つの単語の頭文字を取ったことという説も。
ボクはこれを知った時、つい「へぇ〜」って声を出して言っちゃいました(笑)
バトゥ洞窟に実際にいる神様たちはこちら!
ヒンズー教でもっとも大事なお三方の紹介は終わったので、ここからは実際にバトゥ洞窟にいる神様たちを紹介していこうと思います!
①破壊神シヴァの息子・スカンダ(Skanda)
まずはバトゥ洞窟では一番有名はこの像。
エントランスにドカッとピカッ立っていますが、この像が誰かというとこれは破壊の神様シヴァの息子・スカンダです(ムルガンと呼ばれることもあります)。
このスカンダさんはシヴァの息子だけあって、超強い。
軍神と呼ばれる神様です。
私たちの仏教も発祥の地はインドなので、ヒンズーと仏教は同じ神様が違う呼ばれ方で呼ばれていることがたくさんあります。
このスカンダさんは仏教上での名前は韋駄天。
こちらも同じように疾風怒涛のごとく走り周る神様ですね。
今日もバトゥ洞窟の平安を守ってくれています。
②三大神のひとり・ヴィシュヌ(Vishnu)
こちらが先ほども紹介したバトゥ洞窟にいる世界維持神・ヴィシュヌの像。
うわさ通りの青い体に4本の腕です。
シヴァと似てますが、なんとなーく被り物や表情で区別ができます。
ヴィシュヌさまはいろいろ姿を変えたりもするのでなんとも言えないんですが、シヴァさまはやっぱり「破壊の神様だなー」って外見をしてらっしゃるんですよね。
簡単に見分けがつくようになったらあなたもヒンズー通!(笑)
③忠実な猿の神様・ハヌマーン(Hanuman)
こちらもスカンダに続いてバトゥ洞窟ではとても有名な像ですね。
この像の名前はハヌマーン。
名前だけでもなんとなく聞いたことがある人は多いのでは?
ハヌマーンは、維持の神様ヴィシュヌが姿を変えたラーマ王とその奥さんシータに仕えた猿の王様です。
インドの有名なラーマーヤナという物語でシータが魔族にさらわれた時に頑張って助けたのもこのお猿さん。
この写真をよく見ると胸に両手をあててますよね?
これ、自分の手で胸をえぐり開いてるんです。
なんとその中には小さなラーマ王とシータの姿が。
ハヌマーンが彼らへの忠誠心を示すために開いて見せたんだとか(クレイジー笑)
さらに西遊記の孫悟空のモデルはこのハヌマーンなんだとか。
この方がいないとフリーザ様から地球を救うこともできなかったんですね!!
④頭を像に変えられちゃったガネーシャ(Ganesa)
真ん中の顔がゾウになってしまっているこちらも超有名人のガネーシャ。
ガネーシャもスカンダと同じくシヴァ神の息子です。
元々は普通の顔だったんですが、なんでもシヴァが出かけている間に生まれたので、家に帰ってきたシヴァが「なんだチミは!」って言って首を跳ねてしまったんだとか(かわいそう笑)。
その後に奥さんから事実を聞かされたシヴァはその辺にいたゾウの頭をつけちゃったらしい(なぜ笑)。
ベストセラーになった『夢を叶えるゾウ』に出てきた神様もガネーシャですね。
学問や富を司る神様なので、ビジネスの成功などを願う人たちの間で人気の神様です。
ちなみに右側にいるのが創造神ブラフマーの奥さんサラスヴァティで左側にいるのが維持神ヴィシュヌの奥さんラクシュミです。
このお三方もいろんなところで見かけられますが、ガネーシャは見た目がゾウなので判りやすいですし、サラスバティはギター的なものを持っているので判りやすいですね(^^)
他にも見つけやすいヒンズー教の神様たち
これまでに紹介した神様がバトゥ洞窟ではメインどころとなる方々ですが、洞窟内には他にもたくさんの神様の像があります。
紹介した神様が何度も出てきたり、いろんな神様が集まってストーリー仕立てになっていたり。
そこで、見た目でパッと「あ!○○だ!」とわかる神様を紹介しますので、洞窟内で見つけた時はぜひその名前を叫んであげてください(ダメです、神聖な場所です笑)
(ほら、ここにもガネーシャさんがいるよ♪)
鹿を見つけたらそいつはナンディン(Nandin)
白い鹿的なやつを見かけたらそいつはナンディン。
破壊の神・シヴァ様の乗り物とされていた従順な鹿さんです。
シヴァが乗っていたり、シヴァの近くを探してみるとコイツがヒョコっと登場していることがあるので、青い肌で強面のシヴァ様を見つけたらついでに周りも見渡して見てください。
半身が蛇の神様・ナーガ(Naga)
蛇もよく登場するようですが、それはナーガであることが多いです。
ナーガは神様の名前ではなくて、ナーガ族をいう神様の一族のことなんだとか。
半身が人で半身が蛇になっているヤツをみたら「現れたな!ナーガ!」とあくまでも心の中でつぶやいてください。
恐怖の奥様・カーリー(Kali)
破壊の神・シヴァ神の奥様であるパールヴァティは他にもいろいろな名前を持っていて、その名前ごとに性格も全然違うんだとか。
その中でももっとも恐ろしいのが、この殺戮と闘争の女神・カーリーです。
先ほどガネーシャの首がゾウである理由を説明しましたが、そのシヴァが首を叩き切った時も破壊の神である自分の夫に激怒したように、パールヴァティ様は気性の激しい方のようで・・・。
特にこの殺戮形態・カーリー様の時は本当にヤバイです。
シヴァと同じように青い肌になって舌を出しながら生首を持っているなんて画像もよく見かけます。
青い肌で舌を出して、ちょっとヤバイ感じで笑っている女性がいたらそればカーリー様でほぼ間違いないでしょう。
そんなこんなでヒンズー教の神様を紹介してきましたが、この辺にしておきましょう。
このあたりの有名どころを抑えておけばきっと十分!
どうでしょうか?
最後にだらーっとまとめますね?
まとめ・・・
洞窟入口の青い肌の神様:世界維持の神・ヴィシュヌ
青い肌で腕が4本 :世界破壊の神・シヴァ
肌色で顔がたくさん :世界創造の神・ブラフマー
入り口の黄金の像 :シヴァの長男・スカンダ
駅側入り口の緑色の像 :猿の王様・ハヌマーン
ゾウの顔 :シヴァの次男・ガネーシャ
琵琶を持っている女神 :創造神の奥様サラスヴァティ
白い鹿 :ナンディン
半身が蛇 :ナーガ
青い肌で怖い女神 シヴァの奥様・カーリー
以上です!
これで少しはバトゥ洞窟訪問をより楽しんでもらうことができるはず。
今回紹介した神様はヒンズー教では割と有名な方々なので、インドはもちろんヒンズーの影響を受けたアンコールワットのあるカンボジアなどへ行く時も覚えていて損はない情報です!
宗教と歴史は予習が大事!
訪れる前に予備知識を入れて見るだけじゃなくいろんな背景を感じる旅をしましょう!
(何も準備しないで行ったお前が言うな)
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